観たぞ!『ヴィンセントが教えてくれたこと』

今日ご紹介は、少年とお爺さんの良き出会いを描いたヒューマンコメディです。

◇鑑賞日:5月6日
◇一言感想:ビル・マーレイが演じる、頑固な爺さんと少年の交流。おかしくて、心に暖かいものを残してくれる良作。

◇星4つ:☆☆☆☆(いい映画に出会えたなぁ)

  • 人生はいつも勉強。目上の方の意見や、異なる価値観・人生観から多くを学ぶ事は、誰しもありますよね。映画の中でも、年長者との良き出会いを扱った作品が、たくさんあります。今日ご紹介もそんな素敵な出会いを扱った1本です。
  • (あらすじ)嫌われ者の偏屈親父ヴィンセントの隣に引っ越してきたシングルマザーのマギー。あるきっかけから彼女は、自分の仕事中に12歳の息子オリバーの面倒を見るようヴィンセントに相談する。嫌々ながらもオリバーのシッターを引き受けたヴィンセント。ところがヴィンセントは酒、ギャンブルが大好きな不良親父。行きつけのバーや競馬場にオリバーを連れて行き、ギャンブルからいじめっ子の鼻のへし折り方まで、ろくでもないことばかりを彼に教え込んでいく。オリバーはそんなヴィンセントと反発しあいながらも、一緒に過ごす中で優しさや彼の心の傷に気づいていく。

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  • ヴィンセントを演じるのはビル・マーレイ。『ゴーストバスターズ』や『パラダイスアーミー』等の演技派です。本作でも魅力あるキャラクターをユーモアたっぷりに演じ心に残ります。この作品ではゴールデングローブ賞主演男優賞(コメディ/ミュージカル部門)にノミネートされました。そしてオリバー少年はジェイデン・リーバハー君、母親役に味のある演技の女優さんメリッサ・マッカーシー。また、ナオミ・ワッツが妊婦のストリッパー役で出演しています。驚いたのは監督、脚本のセオドア・メルフィ氏は本作がデビュー作との事。本作の後『ドリーム』等、 素晴らしい作品を作る、いま注目の監督さんですね。
さて。主人公とからむヴィンセントは街で有名な不良じじい。酒もタバコも女性も大好きです。
巷では、ちょい悪親父というのはこういう人のイメージだそうですが

LEON 2018年 05月号 [雑誌]:amazo

現実のちょい悪親父とはこういう↓人です。笑
ヴィンセントおじさん。府中とか大井とかにいそうです 作画:310

因みに私も、不真面目なおじさんですが、もちろんヴィンセントに近い事はいうまでもありません。

  • 少年オリバーはヴィンセントに触れ合う中で、ちょっと悪いことばかり教えます。ケンカの仕方、酒場に競馬。でもそれは、いずれきっとオリバーの人生の勉強になること。人に侮辱された時の対処法やお金を自分で稼ぐ事、大切な事に繋がるのです。例えばヴィンセントの友人の娼婦についてにこんな会話があります。
オリバー「誰なの?」
ヴィンセント「夜の女ってとこだ」
オリバー「何それ?」
ヴィンセント「そうだなあ。一番正直な稼ぎ方をする女のことだ」。
  • もちろん周りの大人はハラハラ。でも、こんなおじさん一人くらいいてくれたら嬉しいですよね。人生で大切なことは案外学校の先生でなく、周りの大人が教えてくれるのかも知れません。私も小さい頃、こんな感じの、駄菓子屋の店主のおいちゃんによくしてもらいました。ちなみにその人はタバコをふかしながら、日本刀の模造刀を磨くのが好きな駄菓子屋の店主でした(笑)すいません、脱線しますた。
  • 本作は笑いながらも、しっかりと心に暖かさを残してくれる作品でもあります。ヴィンセントは一見、不埒な大人ですが、実は優しく、彼自身も心に傷を持つ人間なのです。そんな彼自身も、オリバーやガールフレンドの娼婦、オリバーの母親たちと接し、生活することで救われることもあるのでした。日常の中の、ささやかなお話なので、少し中だるみを感じるところもあると思います。しかし見終えた後、しっかり心を洗濯される事でしょう。作品の毛色は違いますが、涙なしでは見られないあの名作、『チャンプ』のイズムを、私は感じたのでした。
  • というわけで、少年オリバーと不良爺さんヴィンセントの交流 。皆さんも楽しんでみてはいかがでしょうか。私も近所の子供たちと交流する機会があれば、ありのままの、この感じで行きたいと思います!





















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