観たぞ!『新感染 ファイナルエクスプレス』

本日ご紹介は、泣かせるパニックホラーです。

◇鑑賞日:6月16日
限定空間での感染者との攻防!極限の逃避行の中、家族愛も
描かれるホラー映画の良作。

◇星3つ:☆☆☆(普通に楽しめます)


  • 生ける死体ゾンビ。もとはコンゴで信仰された神(Nzambi)に由来され、ブーゥ教では昔から信仰された存在であります。ホラー映画の中では、蘇り人を襲う死体として、明確なジャンルを確立したゾンビ。これからもその存在は映画の中で増殖していくことでしょう。ジョージ・A・ロメロの『ゾンビ』、『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』、近年ではブラピの『ワールド・ウォーZ』。皆様も数々のゾンビ映画をご覧になっていると思います。
  • 私は、幼少期の頃、おませな姉に連れられて映画館でルチオ・フルチ監督のサンゲリア』を観て、あまりの恐怖に怖すぎて鼻血を出したのが、ゾンビ映画との出会いです。今考えると、完全に幼児虐待ですね(笑)さて。本日ご紹介は韓国制作のゾンビ映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』。時速300キロの高速鉄道の中でのゾンビとの攻防と、巻き込まれた人々の人間模様を描いた1本です。
  • (あらすじ)別居中の妻がいるプサンへと、幼い娘スアンを送り届けることになったファンドマネージャーのソグ(コン・ユ)。夜明け前ソウル駅からプサン行きの特急列車KTX101号に乗り込むが、発車直前に謎のウイルスに侵された女性も乗ってくる。列車は動き出し、乗務員が彼女にかみつかれ、瞬く間に車内はパニック状態に。異変に気づいたソグは、乗客である妊婦ソンギョン(チョン・ユミ)とその夫サンファ(マ・ドンソク)らと共に車両の後方へ避難する。やがて彼らは、韓国政府が国家非常事態宣言を発令したことを知り・・・・。  

 

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  • 原題は、列車の行き先である「釜山行」。(邦題のセンスはなかなかですね。)韓国制作のゾンビ映画である本作は、パニックホラーでありながら、各種人間模様や、群集のエゴなどがきちんと盛り込まれておりカンヌ国際映画祭やカタロニア国際ファンタスティック映画祭などで、話題となりました。 監督はヨン・サンホ。主要キャストとして『サスペクト 哀しき容疑者』などのコン・ユ、『ミスターGo』のマ・ドンソク等が出演しています。 
  • 愛娘と列車に乗ったファンドマネジャーのソグ。妊婦である妻と列車に乗ったサンファ。そして若いカップルでもある野球部の高校生とマネージャー、強い絆で結ばれた老姉妹たち。感染した者を凶暴化させる謎のウイルスが高速鉄道の車両内にまん延する中、主要な人物たち皆が、愛するものたちを守る為の決死のサバイバルを行います。近年のゾンビ映画の中でも、やっつけ程度に家族愛は描かれることはありますが、本作の上手なところは高速鉄道という密室の舞台を活かし、緊迫感とともに家族を守る必然性を丁寧に描いていることです。わたくし、まさかゾンビ映画で感動し涙腺が緩むとは思いませんでした。
    
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  • そして。ゾンビ映画の主役の生ける死体たち。本作では、某企業の失策によって生み出された(感染者)と呼ばれ、ゾンビとは明言されていません。この感染者たち、ゆっくりしたゾンビたちと違って動きが早いです。走る、跳ぶ、襲う。スピードを活かしながら車両を、都市を、蹂躙していきます。この弱点の設定はなかなか効いていて、主人公たちはこの弱点をつきながら密室空間でゾンビたちと攻防することになります。本作では、100人以上のエキストラの(感染者)の造りこみにも力を入れ、それぞれ違う外見と動きを細かく調整したそうです。
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  •  いやぁ。早い動きのゾンビは怖いですね。わたくし、その昔。ハロウィンの時期のUSJのゾンビカーニバルに行ったことがありましてゾンビに扮したスタッフに追い回されたことがあります。あれはなかなか面白かったです。そういえば。北斗の拳のジャギ様に仮装した一般人の人がいて、その人のほうがある意味怖かったです。太っちょジャギ (笑) すいません。脱線しますた。
ゾンビよりも怖い太っちょジャギさん。作画:310
  •  というわけで、極限の密室空間の中で人間模様を描いた本作。5両の車両の実物大セット、失踪する列車と窓の外の風景をリアルにする為の大掛かりな照明など韓国映画として、かなり力を入れて制作されたそうです。唯一、私が残念だったのはボスキャラの存在感の無さ。まぁそれらしい仇はいるにはいるのですが。ねぇ。って感じです。この辺はもう一押し欲しかったです。とはいえ、ホラー映画で、人間模様を味わえる感覚は新鮮でとても楽しめました。すでにハリウッドでのリメイクも決まっているとの本作。本作の前夜、ソウルの町の様子を描いたアニメ『ソウル・ステーション/パンデミック』も見てみたいなぁとおもいます。それでは、皆様。ゾンビとジャギには気をつけて 笑。




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