観たぞ!『来る』
今日ご紹介は中島哲也監督の最怖エンタメホラーです。
◇鑑賞日:12月7日
◇一言感想:日本ホラー小説大賞の作品を鬼才、中島哲也監督が映画化。原作を踏襲しながら人間の業の闇を描いた力作。
松たか子が格好いい!!
◇星3つ:⭐︎⭐︎⭐︎(普通に楽しめます)
モンスター大好きおじさんとしては
原作ぼぎわんを出して欲しかった。
なんだよ原作ぼぎわんって 笑
ではでは、ここで原作ぼぎわん大公開。
皆さん、心の準備はいいですかー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
女は私の目の前に迫っていた。
黄ばんだ白いものはいくつも、でたらめに顔に並んでいる。
あるものは尖り、あるものは折れ、あるものは長くあるものは短い。
ゆっくりとそれらが上下に並んで動いた。
糸を引いて顔全体に広がっていく。
嗅いだことのない異臭が鼻を突く。
ぬらぬらと動く。
私はようやく気付いた。
これは、私の目の前にある、これらは、
歯だ。(ぼぎわんが来る 本文より)
ね、怖いでしょう。燃えるでしょう。
観たかったなぁ ぼぎわん。
というわけで、ジャパニーズホラーの新たな系譜を打ち出す一作。皆様も劇場
で楽しまれてはいかがでしょうか。
オームライスのくっにーに。行ってみたーいな!
◇鑑賞日:12月7日
◇一言感想:日本ホラー小説大賞の作品を鬼才、中島哲也監督が映画化。原作を踏襲しながら人間の業の闇を描いた力作。
松たか子が格好いい!!
◇星3つ:⭐︎⭐︎⭐︎(普通に楽しめます)
- 師走です。2018年もあと僅か、ラストスパートで今年の映画鑑賞を楽しみましょうね。という訳で今日ご紹介は、真冬なのに怖い話。鬼才、中島哲也監督が手がける最怖エンタメホラー『来る』。私、ちょっと前に、原作を楽しく読んでいたこともあり、その映像化作品という事で、なかなか楽しみに鑑賞しました。さてそれでは、紹介を行ってみましょう「くーるーーー!!」(ザキヤマ風)
- 観るものを恐怖の世界に導く本作、原作は澤村伊智さんの小説『ぼぎわんが来る』。第22回日本ホラー小説大賞〈大賞〉受賞作です。最終選考委員のみならず、予備選考委員もふくむすべての選考員が賞賛したというこの作品。私も読ませていただきましたが、都市伝説・民俗学――さまざまな要素を孕んだ空前絶後のノンストップ・ホラーとして大変楽しめる小説です。活字とはいえ大変怖かったです。
ぼぎわんが、来る (角川ホラー文庫) 文庫 :【amazon】 |
- そんな恐怖小説を「嫌われ松子の一生」「告白」「渇き。」の中島哲也監督が、映画化。中島哲也監督といえば独創的な映像感覚と確かな演出力で比類なきエンターテインメントを生み出し続ける方ですね。「下妻物語」を始めて観たときはヘヴィー級の一撃をくらったのような衝撃でした。本作でもそんな映像のこだわりは健在。不快かつ情緒的な感じのタイトルバックから、恐怖の世界に引き込まれます。要所要所で入る画力のインパクトはさすがでした。
- (あらすじ)恋人の香奈との結婚式を終え、幸せな新婚生活を送る田原秀樹の会社に謎の来訪者が現れ、取り次いだ後輩に「知紗さんの件で」との伝言を残していく。知紗とは妊娠した香奈が名づけたばかりの娘の名前で、来訪者がその名を知っていたことに、秀樹は戦慄を覚える。そして来訪者が誰かわからぬまま、取り次いだ後輩が謎の死を遂げる。それから2年、秀樹の周囲で不可解な出来事が次々と起こり、不安になった秀樹は知人から強い霊感を持つ真琴を紹介してもらう。
- 本作の魅力の一つに、多重構造で語られるストーリーテリングの魅力があります。原作の話し運びの上手さをきちんと踏襲しながら、中島監督は独自解釈も加えながら本作を構築。ただの怪異話ではなく登場人物たち人間の闇を描いています。特に中盤戦からの盛り上がりとクライマックスの(払いの儀)は圧巻。詳しくはネタバレしませんが、怪異鎮圧の為全国の祈祷師たちが大掛かりな儀式をやる過程は、原作にはない話し運びの盛り上げ方で往年の怪獣映画を観ているかのようで非常にワクワクしました。ゴジラかよ。 笑
- そして、本作のもう一つの魅力は、俳優さん達の熱量溢れる演技。理想的なイクメンパパに田原秀樹(妻夫木聡)妻の香奈(黒木華)、オカルトライター野崎を(岡田准一)が演じます。母親役の中に狂気も感じる黒木華も良かったですし、タバコを吹かしながらボロボロの車を乗りまわす野崎演じる岡田君のアウトローっぷりも良かったです。そんな出演者の中でも、松たか子と小松菜奈演じる霊媒師の姉妹、比嘉姉妹は最高でした。特に松たか子演じる比嘉琴子は物凄く、強く存在感あるキャラクターとして魅力的に描かれ、その風貌も相待って原作を凌駕していると感じました。岡田くんに出すワンパンのシーンは思わず笑ってしまいました。男塾Jのマッハパンチか!いやあ、豪華な演技合戦でした。
- さてさて、そんな見所がある本作ですが原作既読の私は物足りなかった所もあります。それは、最恐の怪異ぼぎわんについて。ブギーマンが訛った語源として(ぼぎわん)。原作では、田崎家族が狙われる理由も丁寧に描き、魔を呼び込む魔導符にも説得性がありました。この辺は映画版では新解釈でガラリと変わり、わかりにくさが残ります。同様にぼぎわんの正体について。この辺は、実際に映画館で確かめて欲しいのですが映画では、原作と違う描かれ方で抽象的な怪異として描かれています。
モンスター大好きおじさんとしては
原作ぼぎわんを出して欲しかった。
なんだよ原作ぼぎわんって 笑
ではでは、ここで原作ぼぎわん大公開。
皆さん、心の準備はいいですかー。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
女は私の目の前に迫っていた。
黄ばんだ白いものはいくつも、でたらめに顔に並んでいる。
あるものは尖り、あるものは折れ、あるものは長くあるものは短い。
ゆっくりとそれらが上下に並んで動いた。
糸を引いて顔全体に広がっていく。
嗅いだことのない異臭が鼻を突く。
ぬらぬらと動く。
私はようやく気付いた。
これは、私の目の前にある、これらは、
歯だ。(ぼぎわんが来る 本文より)
ね、怖いでしょう。燃えるでしょう。
観たかったなぁ ぼぎわん。
僕のイメージした(ぼぎわん):作画310 |
- 中島哲也監督は、きっと単調にジャパニーズモンスターホラーではなく人間の怖さに寄りたかったんでしょうけど、中盤からの盛り上がりが良かっただけにちょっと残念です。原作のぼぎわんが具現化すれば、きっと貞子や伽倻子を凌ぐ、新たなジャパニーズモンスターとして活躍したでしょうに。この辺りは、賛否両論あると思いますが、映画を気に入った方は原作でだいぶ補完できると思います。比嘉姉妹の活躍する二作目「ずうのめ人形」もあるみたいです。
ずうのめ人形 (角川ホラー文庫):【amazon】 |
で楽しまれてはいかがでしょうか。
オームライスのくっにーに。行ってみたーいな!
コメント
コメントを投稿