観たぞ！『ファーゴ』

今日ご紹介は、アメリカの田舎町を舞台にしたクライムサスペンスの傑作です。

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◇鑑賞日：4月15日
◇一言感想：コーエン兄弟のこだわりが随所に見れる良質な犯罪喜劇 。その独特の世界観が不思議な魅力 。

◇星３つ：☆☆☆ （普通に楽しめます）

• ちょっとしたきっかけで、日常から道を踏み外し、犯罪の深みに陥ってしまう人の性（サガ）。サスペンスの映画では、時に恐怖とともに、人間の悲しさと滑稽さを描き出します。本作『ファーゴ』も、アメリカ中北部の田舎町を舞台に、偽装誘拐が引き起こす惨劇とそれに関わる人々の奇妙な姿をユニークに描く傑作サスペンスです。

• 製作はコーエン兄弟。『ノーカントリー』や『バーン・アフター・リーディング』などとても独特な雰囲気の映画を作るクリエイターです。スリラーと暴力に笑いのエッセンスを上手く融合させ、 細部にこだわった映像美と緻密な脚本で映画ファンをうならせる作風ですね。本作でも、夜道に車で追跡するシーン等ちょっとしたカットでさえ印象的で、さすが匠の技があります。

• 最初は、小さな擬装誘拐なのに、話がどんどんエスカレートして収集がきかない。取り繕おうとして、見事にドツボにハマっていく主人公たち。これってまるで古典落語じゃあないか！じゅげむ　じゅげむ　ごこうのすりきれ、、、ぽんぽこぴーの　ぽんぽこなーの　ちょうきゅうめいのちょうすけ！！笑 まさに、「人間はおかしくて悲しい。」です。

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• （あらすじ）冴えない中古車屋のランディガードは借金返済のために妻ジーンを誘拐し、義父から身代金をいただこうと考えた。そこで誘拐を奇妙な二人組、カールとグリムスラッドに依頼する。しかしジーンを誘拐した二人は、逃亡中に停車を命じた警官と目撃者を射殺してしまう。計画が狂い始めるランディガード。その頃、事件を知った女性警察署長マージは事件を追ってミネアポリスに赴くのだった。

• この映画では犯罪を成功させようとするもの、事件の核心に迫るもの。それぞれの登場人物が不幸の連鎖を笑いに変えてくれます。特に、誘拐犯の一人カールを演じるスティーブ・ブシェミ。癖のある顔と演技の個性的な俳優さんで、好きな俳優さんの一人です。私は『コン・エアー』や『パルプフィクション』で彼を見たときに何てキテレツな顔の奴だろうと衝撃を受けたのを覚えています。コイツは多分チュウできねーな的な 笑　本作でもそのキテレツぶりは物凄く、劇中 常に、目撃者から「変な顔の奴だった」と言われます。常に誰からもです。えらい言われ様です。笑  特に二人の目撃女性のシーン爆笑でした。

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• 事件を追う、妊婦の保安官マージを好演するのはフランシス・マクドーマンド。凄惨な事件を、ニコニコしながら、良く食べながら追います。（妊婦さんだからね笑）このマージ、素朴な雰囲気でありながらキレものというキャラクターで「アメリカ映画100年のヒーローと悪役ベスト100」でヒーロー部門33位に選ばれています。犯罪映画の中でこの人をみるとなんだか、ほっこりしてしまったので、人気なのも良くわかります。

• さて本作冒頭 「この物語は実話に基づいている」というクレジットが出てきますが思いっきりフィクションです。劇中に登場するポール・バニアンの像（アメリカではホラ話の象徴）が含むように大いなるホラ話なのです。しかしながら、日本人女性が、映画の事件を信じてしまい実際にファーゴ劇中のお金を探しに行ったという都市伝説もあるようです。この都市伝説も「Kumiko, The Treasure Hunter」という映画になりました。凄いなファーゴ。凄いなコーエン兄弟！

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• と、魅力ある登場人物が織りなす味のある本作。個人的に少し残念なのは、事件規模が小さく、まったりしている事くらいでしょうか 。決して派手さはなく淡々と物語を重ねます。この辺のスピード感がもう少し欲しいです。

• 本作は2014年のドラマ『FARGO/ファーゴ』として10年後の物語としてリブートされています。このドラマシリーズ、話の作り方や雰囲気が最高で私は、ドラマ版の方が好きだったりします。（映画レビューだっつーの 笑）特に、殺し屋のローン・マルヴォが最高なんです。

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というわけで、味わい深いファーゴの世界。まだ未見の方は、ぜひぜひアメリカ田舎町の事件簿をぜひお楽しみ下さい。