観たぞ!『孤狼の血』
本日ご紹介は豪華キャストで送る
骨太クライムアクションの傑作です。
( 公開中につきネタバレほぼなし)
◇鑑賞日:5月31日
任侠×警察のクライムアクションであり、圧倒的な熱量を持った邦画の傑作。 映画館でこの熱を感じろ!
◇星4つ:☆☆☆☆(いい映画に出会えたなぁ)
『警察じゃけぇ、 何をしてもええんじゃ!』
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◇鑑賞日:5月31日
任侠×警察のクライムアクションであり、圧倒的な熱量を持った邦画の傑作。
◇星4つ:☆☆☆☆(いい映画に出会えたなぁ)
- エネルギッシュな極道たちの群像劇で、70年代の大ヒットとなった『仁義なき戦い』シリーズ、
同じ東映の深作作品でヤクザのような刑事対ヤクザを描いた傑作『 県警 対 組織暴力』。 昔の東映は欲望をギラギラと燃え立たせる雰囲気が堪らない名作に 溢れていました。本作『孤狼の血』は、 脈々とこの系譜を受け継ぎながら圧倒的な熱量とザラついた空気感の中に現 代のスタイリッシュさを感じるクライムアクションの傑作です。 普段、良い邦画に出会う機会の少ない私。 本作の出来栄えに唸ると共に、 その熱が冷めないうちにレビューの筆を取ろうという次第です。
- (あらすじ)昭和63年、広島の呉原では暴力団組織が街を牛耳り、
広島の巨大組織五十子会系「加古村組」と地元の「尾谷組」 が睨み合いを続けていた。ある日、 加古村組の関連企業の社員が行方不明になる事件が発生。 ベテラン刑事の刑事二課主任・大上章吾(役所広司) 巡査部長と新米の日岡秀一(松坂桃李)巡査が捜査に乗り出す。 常識を逸する不法捜査も辞さない大上のやり方に戸惑う日岡。 やがてこの事件をきっかけに、 両組織の思惑と警察組織の思惑が絡み合い、 暴力団と警察を巻き込んだ血で血を洗う報復合戦が幕を開ける。
『警察じゃけぇ、 何をしてもええんじゃ!』
- 本作、近年の極道ジャンルでのヒット作『アウトレイジ』に対する東映からのカウンターとも言われる本作。
全国の暴力団捜査の先頭に立つ、警視庁組織犯罪対策部、通称「 組対(そたい) と暴力団の攻防を荒々しくザラリとした質感で描きます。監督は、 『日本で一番悪い奴ら』や『凶悪』の白石 和彌 監督。人間の描き方に定評のある彼が、昭和アウトロー達の無骨で尖った生き様を見事に描きます。 本作について東映は「 昨今の地上波や日本映画ではお目にかかることのできない、 熱き男たちの“カタルシス”と“ヴァイオレンス” は観る者の魂をエモーショナルに揺さぶることだろう。」 と名言しています。確かにその放熱でガツガツと脳みそを揺さぶられます。
- この映画、素晴らしいのが俳優陣達の演技合戦。
暴力団との癒着を噂される刑事・大上章吾を役所広司、 大上の部下・ルーキー日岡秀一を松坂桃李、尾谷組の若頭・ 一之瀬守孝を江口洋介が演じ、石橋蓮司、竹野内豊、ピエール瀧、 音尾琢真などが脇を固めます。荒々しく聞こえる方言 (広島の呉弁)による、彼ら名優達の演技合戦は凄まじいです。この方言、煽ったり、脅したりするのにぴったりで、役者さんたちの演技もあり肝を取って喰われるかという位の迫力。アクセントも含め役者の皆さん相当苦労されたようですが、流石ですね。
- 主演の二人の演技はもちろん素晴らしいのですが、
特に尾谷組の若頭一之瀬守孝を演じる江口洋介さんは格好良く、 個人的に『凶気の桜』の(消し屋三郎)以来に痺れました。消し屋三郎 知ってますかー? 江口洋介さんが怪演したむっちゃ強い殺し屋です。あ、 あと江口洋介さんはその昔、湘南爆走族では紫のリーゼントで、、 、、バタバタバタバタ ドカーーーッ !おどりゃー!!!!「極道は面(つら)でメシ食うとるんじゃ!!」 by一之瀬守孝 。 パーン パーンパンッ。 ズバッ!!危ないです、歴史を語ると消されちまいます。笑
- 原作は警察小説×『仁義なき戦い』」
と評された柚月裕子さんの同名小説。第69回日本推理作家協会賞も受賞している力作です。 暴力吹き荒れる中、 波乱に満ちた展開で正義とは何かを問う、その物語は観ている人を楽しま せる一流の娯楽作品に仕上がっています。 目的の為にはどんな手をもいとわず、 暴力団とも繋がる役所さん演じる大上章吾(ガミさん)と松坂桃李演じる正義を 追求する新人 日岡秀一。暴力団と警察組織の濁流に飲まれる二人の姿は、 どこか『トレーニング・デイ』や『インファナルアフェア』 を思い返してしまうのでした。コンプライアンスという単語で括られる生きづらい現代社会の中で、善いことは善い、悪いことは悪いといえる男たちの生き様を 凝縮されて見せ付けられた気がして、とても活力をもらいました。
いつも心に狼を。というか孤狼ジッポーほしい。作画:310 |
- という訳で、もの凄い熱の邦画を観ることができました。
既に続編映画の決定もされたようで、原作続編の『凶犬の眼』も読みたくなりました。この作品、見終わった後、映画館から出てくる時には、 確実に、肩で風切って出てきます。笑 あと、月夜に煙草を吸いたくなります。さあ、皆さんも本作を観て、この男たちのように心の牙を研いでみてはいかがでしょう。
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