観たぞ！『アナイアレイションー全滅領域ー』

今日ご紹介は、美麗な異次元SFスリラーの一本です。

◇鑑賞日：9月16日
◇一言感想：その異世界には何があるのか。美麗映像に彩られた、独特の世界観が魅力のSFスリラー。

◇星４つ：☆☆☆（普通に楽しめます）

突如、日常に現れて世界を浸食する存在。『ボディ・スナッチャー／恐怖の街』、『人類SOS！』、『ブロブ』など多くのSF映画でもその異様な浸食は描かれて来ました。突如現れ、日常の世界に歪みをもたらすモノ。本日ご紹介も、そんな浸食系SF映画の1本。日本ではNetflix限定配信の映画です。

（あらすじ）ある日。突如飛来した隕石をきっかけに謎の領域「エリアX」がアメリカ国内の海岸地帯に拡大。現地に調査隊が派遣され、元兵士の生物学者レナの夫も加わるが、彼らは音信不通となり行方不明に。やがてレナの夫だけが生還したものの、瀕死の重傷を負っており昏睡状態に。レナは夫の身に何が起きたのか突き止めるべく自ら調査隊に志願し、エリアX内部の未知の領域に足を踏み入れる。そこで彼女が目撃したのは、生態系の突然変異によって生まれた異様な景色と生き物たちだった。

アナイアレイション-全滅領域-　【NETFLIX】

監督、脚本は「エクス・マキナ」を手がけたアレックス・ガーランド、「ブラック・スワン」のオスカー女優ナタリー・ポートマンを主演に迎え、不気味な浸食世界が描かれます。ナタリー・ポートマン、レオンの少女マチルダから大きくなりましたね。本当に、いい女優さんになりました。

本作で、特筆すべきは、ずばり。その映像美。突然変異した生物が溢れるエリアX。異世界として恐怖に満ちた世界観が美麗で五感を揺さぶられる映像で描かれます。不気味な物語なのに、緑や色鮮やかな花で彩られる世界とモノトーンの建物とのコントラストには思わず息を飲んでしまう事でしょう。うっとり。

物語としては、世界に浸食を開始したエリアXを調査するために主人公たちが赴くという、ある種鉄板のストーリーライン。まあ、川口浩探検隊シリーズですね。南部タイの秘境に『巨大怪蛇ゴーグ』、バラワン島奥地に『原始猿人バーゴン』を観た！！とかそんな感じですね。好きだったなあ。川口浩探検隊。

♩川口浩はピラニアにかまれるー

かまれた素手が突然画面に

大アップになる

さらに未開のジャングルを進む

道には何故かタイヤの跡がある

ジャングルの奥地に新人類発見!

腕には時計の跡がある ♩

嘉門達夫の唄、歌ってましたよね笑

水曜スペシャル「川口浩探検シリーズ」DVD：【amazon】

エリアXでは、シマーと呼ばれる謎のプリズム（光源）により光の屈折だけでなく全てを屈折させられます。それは生き物のDNAさえも。という訳でエリアX内はポケモン、もとい、奇妙な生き物で溢れかえります。鮫の歯を持つワニ、恐怖の（助けて）熊。頭から桜を生やした鹿さん。などなど、数々のクリーチャーも本作の見どころです。鹿は綺麗でしたし、助けて熊は本当に怖かったです。

ポ○モンのサ○シもびっくりの生き物ばかり。ゲットだぜ！【作画３１０】

見どころある本作なのですが、2時間を越える尺の中、冗長な話運びが少し気になりました。1時間半くらいにコンパクトにまとめたら娯楽SFスリラーとしていい仕上がりだったような気がします。そんな訳で、作品として配給会社のエンタメ路線要望に応えられなかった所、アメリカ以外ではNetflix限定配信になったようです。もったいないなあ。

物語もいろいろ謎が残りますが、自身の解釈でいろいろ想像できる人は楽しめると思います。ジェフ・ヴァンダミアの原作は小説『全滅領域』からシリーズ化されているようなので機会あれば私も読んでみたいと思いました。物語の補完になりますしね。

全滅領域 (サザーン・リーチ1)：【amazon】

とはいえ、繰り返しになりますが、本当に本作の映像美は素晴らしいです。ただ浜辺を歩くカットさえも美しく不可思議な感触を残してくれます。まるで一つ一つのカットが美しい絵画のようです。そして、本編後のエンドロール。私も数々の映画を見てきましたが、こんなに美しい色彩のエンドロールは初めてです。最後まで見とれてしまいました。

アナイアレイション-全滅領域-　【NETFLIX】

というわけで、美麗映像に彩られた独特の世界観を持つ本作。Netflix限定ですが、楽しまれてはいかがでしょうか。
ではでは。

まるで夢のような。
悪夢のようだった？
そうとは限らない
時には美しい物もあったわ

今宵も映画でイイ感じ!!!