観たぞ!『アリーキャット』
本日ご紹介は演技派、窪塚洋介と降谷建志が共演のバディムービーです。
マル:「リリィ車戻せ!やってやるよ。思っクソ(思いっきり)、やってやるよ」
リリィ :
◇鑑賞2019年1月20日
◇一言感想:一生を決めるのは一瞬だ。野良猫のような2人が織りなす邦画バディムービーの快作。
◇星3つ⭐︎⭐︎⭐︎(普通に楽しめます)- 俺とお前と、アイツとソイツ。バディ‐ムービー(buddy movie) という映画ジャンルが好きです。友人同士や仕事のパートナーなど、二人組を主人公にすえた映画で、大好きな『リーサルウェポン』や『48時間』等に見られるジャンルの一つです。邦画の世界でも『探偵はBARにいる』や最近では『孤狼の血』等、邦画の世界でも楽しめる作品が増えていますね。本日ご紹介も、魅力ある二人組みが事件を追う和製バディムービーの一本。この手のジャンルが好きな方には、きっとお楽しみいただける作品です。
- (あらすじ)かつてボクシング東洋チャンピオンに輝いた朝秀晃(マル)。試合中の怪我で引退後、現在は警備会社でアルバイトをしている。彼は、かわいがっていた野良猫の失踪をきっかけに、整備工場で働く梅津郁巳(リリィ)に出会う。退屈な毎日の中、秀晃はアルバイト先の警備会社から元恋人にストーキングされているシングルマザー・冴子のボディガードを請け負う。たまたま居合わせて巻き込まれた郁巳も一緒に行動することになり、3人で東京へと向かう事に。
- この映画、ひっそりと上映されていたようで、上映館少なかったみたいですね。もったいない。今はDVDもリリースされているのと、Netflixでも視聴できます。
- 出演は主人公の元ボクサー、マルこと朝秀晃を窪塚洋介、自動車の整備工場で働くリリィこと梅津郁巳を降谷建志(Dragon Ash)が演じます。ミュージシャンkjとしてはもちろんドラマ『八重の桜』の斎藤一役で俳優としても幅を広げました。監督は、「木屋町DARUMA」の榊英雄が務めます。ザラついた失踪感が撮れる監督さんですね。その他、俳優陣として、体当りの体を張った演技で市川由衣、品川祐、そして存在感ある三浦誠己等が脇を固めます。
- いやあ。やっぱり俳優、窪塚洋介はいいですね。彼の持つ雰囲気がとても良くて、昔から好きな役者さんです。ミステリアスな神秘性の中に、冷たさと爽やかさを持った唯一無二の俳優、存在だと思います。「池袋ウエストゲートパーク」のキングはもちろん、「GO」や「凶器の桜」も良かったですね。ハリウッド映画「沈黙‐サイレンス‐」にも抜擢され,ますます期待度が高い役者さんです!
- さて、本作に話を戻すと、マルとリリィの2人組が最高な作品でした。タイトルのアリーキャットは野良猫の意。猫のように自由で縛られない二人が事件に巻き込まれます。面白いバディ映画のセオリー通り、この二人の掛け合いと、やり取りが素晴らしく、ゆるーい雰囲気もありながら、物語は進みます。榊監督が描き出すゴミ溜めのような冷たい空気感が感じられる都会を、熱い魂を持った野良猫たちが疾走するのです。
マル:「リリィ車戻せ!やってやるよ。思っクソ(思いっきり)、やってやるよ」
リリィ :
(死んだ目で、マルを無視して運転していたが、そのセリフを聞き、やたら笑顔で)
「だろーっっ!!!」
「だろーっっ!!!」
いやあ。笑いました。ヤンチャで仲良しな2人は最高です。
- あと個人的には。火野正平。出番は少ないですが、クセもの多い本作の中で、キャラが立ってますね。昔はチンピラ役が似合ってました。傑作漫画「jesus」にも火野役で出てましたね。本人かよ(笑)本作では、すっかり貫禄で「てめぇ。面白え事、覚えてきたじゃねーか」とマルを蹴りまくるシーンは凄みがあって、さすがの演技です。
- ズバリ、少し残念なのは、物語を詰め込み過ぎた事。物語はストーカー事件から、政治家絡みの事件に発展していきます。そんな中せっかく魅力的な二人がキャラ立ちしているのに、救いのない事件やアウトロー事象を詰め込みすぎて映画のトーンが陰惨に変わってしまう箇所も。途中からタランティーノのリスペクト映画かと思いましたよ。「パルプフィクション」はタランティーノだから出来る技です。無理やりに、そんなやりすぎアウトロー感を出さずとも、二人の緩い雰囲気のエッセンスを活かしたシンプルなトーンのまま物語を進めても良かったと思いました。この感じ、少し残念です。
- しかし、映画全体を通すと事件解決で被害者が救われるだけでなく、マル自身がリリィと出会い救われる事による再生も感じとれ、陰惨な事件の中、爽やかな風も吹く物語だったと思います。
- そんなわけで。邦画バディムービーとして、楽しめる本作。皆様も魅力的な野良猫たちの活躍を楽しんでは、いかがですか!
初めまして。
返信削除そのうち見てみたいです。