観たぞ！『初恋』

 今日ご紹介は、邦画界に活力を与える、あの監督の新作です。

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◇鑑賞日：2020年4月19日

◇一言感想：これぞ、三池監督流ロマンス。暴風雨のような物語で自粛ストレスも吹き飛ばせ
◇星４つ⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎（いい映画に出会えたなぁ）

• 皆さま、こんにちは。コロナのおかげで、価値観すら変わる情勢の毎日。皆さまいかがお過ごしでしょうか。映画館や各種興業も、ツライ時期です。前を向き、夜が明けるまでお体ご自愛の上、毎日お過ごし下さいませ。さて本日ご紹介は、こちら。三池崇史監督『初恋』です。タイトルこそ、初恋ですし、ポスターのコピーも「さらば、バイオレンス」だそうですが、とんでもない。全力暴風雨の三池流アクションを存分に体験できる1本です。


• （あらすじ）天涯孤独の身で類まれな才能を持つ天才ボクサーの葛城レオは、試合でまさかのKO負けを喫し病院へとかつぎこまれた。医師から自分の余命がわずかであるという事実を突きつけられ、自暴自棄になりながら歌舞伎町の街を歩くレオの目に男に追われる少女モニカの姿が飛び込んでくる。ただごとではない様子からレオが反射的にパンチを食らわせた男は、ヤクザと裏で手を組む悪徳刑事・大伴だった。モニカは親の虐待から逃れるため歌舞伎町に流れ着き、ヤクザにとらわれていたという。レオは彼女を救うことを決意するが、その選択はレオがヤクザと大伴から追われる身となることを意味していた。


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いやぁ、最高でした！！
●もともと三池監督の作品の大ファンの私。『DEAD OR ALIVE犯罪者』のリキ兄カメハメ派に驚愕し、『ヤッターマン』では深キョンに悩殺され、タランティーノ総指揮の『ホステル』でのバイヤー役出演には、感心し、『テラフォーマーズ』の蟷螂に失笑し
『藁の楯』に拍手してきました。三池監督が好きな方は分かると思うのですが、「仕事は来たもん順で受ける」と公言しており、本人がとても気分屋さんなので、当たり外れも。観客が口を開けるような壮絶なちゃぶ台返しも得意です。なので、期待しながらもドキドキで拝見。結論は、、、今作は素晴らしい出来でザ、三池節のアクションバイオレンス全開。でした！私も大大大好きな「孤狼の血」（2018）で東映の代名詞的存在とも言える任侠スピリットをよみがえらせた東映が、満を持して製作した本作。いろいろ本気です。


●本作は、物語はもちろんキャストも実力キャストで豪華。メインキャラだけでも、窪田正孝、染谷将太、ベッキー、大森南朋、内野聖陽、村上淳、塩見三省という顔触れ。見応えありまくり。「ベッキーがヤバい」「染谷がいい味のキャラ」といった前情報からキャスト陣の濃さやバイオレンス描写にも注目していたのですが、ベッキー凄いです。本作のベスト女優賞です。スタイルの良い長い足からの蹴りさばき、パンツのくだり、キレ演技と、かなりの覚悟で演じきっています。本作のベッキーとテラフォーマーズの小池栄子の蟷螂の天と地の演技の違いは、心に留めたい所です。笑　あと個人的にはリキ兄いに出て欲しかった。というか、あのディズニーアプリのリキ兄いは、なんなんでしょう。すみまそん脱線しました。笑 

リキ兄。最近テレビで見たときはフキ飛びました。作３１０

●そして。演出面も、もう最高。絶望感あるオープニングから出演二人の出会い、ブレることなく武闘派を貫いて日本刀片手に抗争へ乗り込む、内野聖陽の格好良さ。
「ヤクザが売られたケンカ買うのに、上の意見もへったくれもねーでしょう！」いやぁ痺れまくり。鳥肌総毛立ちです。クライマックス、全体の流れから向かう、味噌も糞も降ってくるような怒涛のホームセンター戦は必見。詳しくは実際に、鑑賞されてみてください。

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●少し残念なのが、ロマンス部分。私が敬愛する作品、タランティーノの『トゥルーロマンス』のオマージュも見受けられる本作ですが、あのアラバマとクラレンスほど、2人の情愛が無かったこと。ここはもう少し掘り下げて欲しかったです。オーディションで選ばれた新星、ヒロイン・モニカ役を演じる、小西桜子さんはとても役にあっていてキュートだったので、逆にもっともっと情愛ギッタギタでもよかったかな。


というわけで、大変満足な本作。ですがコロナで自粛の中、劇場鑑賞もままならないと思います。本作は、なんと輸入盤ブルーレイが入手可能！なので、自宅でもどうぞ楽しんでみてください。ではでは。