観たぞ!『セキュリティ』


今日のご紹介はB級ながら楽しめる1本です。


『セキュリティ』


◇鑑賞日 2018年3月5日

◇一言感想

設定を活かした脚本が良。 
バンデラスのトリッキーなガンアクションも楽しめる快作。


星3つ ☆☆☆ 普通に楽しめます 



  • アクション映画において。 多くの悪役は武装集団を率いて、本当にいろいろな場所を襲います。ナカトミプラザを用意周到に襲撃したハンス・グルーバー(ダイ・ハード)、超満員の巨大ドーム競技場で、合衆国副大統領と5万人の大観衆を人質にとったジョシュア・フォス(サドン・デス)、最近では大胆にもホワイトハウスを陥落させたマーティン・ウォーカー(ホワイトハウス・ダウン)然り。知略に満ちた策謀を図りながらもヒーローに未然で防がれる。そんな悪役達が、どんな理由に基づき、どんな手法で、どんな場所を襲うのかワクワクするのも、この手のアクション映画の楽しみの一つですね。そして、武装集団が襲ってきた時にたまたま、あくまでもたまたま (笑)不運な主人公が出くわし『何で俺が!?』と時にはボヤキながら渋々闘うという、ある種の鉄板 設定。本作もそんな、籠城テロリスト物の一本です。


  • (あらすじ) 失業中の元軍人のエディは、ショッピングモールの夜間警備の職につく。しかし勤務初日、深夜に一人の少女が助けを求めモールに逃げ込む事件に遭遇。その場に少女の父親だと名乗る男がやってくるが、不審な様子に気づく。少女は両親を殺され、目撃者として裁判で証言をする予定だったのだ。やがて、武装した男たちが少女を狙って次々とやってくる。モールに侵入され、外部との通信も遮断される中、エディは今日会ったばかりの同僚たちと共に少女を守り、武装集団と闘う決意をする。


  • まず、この作品の良いところにあげられるのが設定の巧さと、脚本のバランスです。場所は、片田舎のショッピングモール。少女が逃げ込むまでの前振りも描かれ、少女を狙う理由も、裁判で不利になる唯一の生存者である証人を抹殺する為。と、話の筋が通っています。深夜のモールという場所がら武装集団と対峙するのは、たまたま勤務初日だった元軍人(笑)と個性的なバイト警備員達のみ。本当に場所設定とプロットが上手で限定空間を活かしながら、アクションに結びつけます。この設定、日本で普通のショッピングモール(ふっふーん♪の所とか)が襲われる設定だとしたらどうなるんでしょうか。(警備員の人が警棒持って無双でしょうか。いや二本持ちでトンファー無双か。それはそれで観たいな。うん観たい ww)



  • そしてなんといっても、この手の映画で欠かせない、悪役の存在。癖があり、かつ知性も感じさせる敵のボスを名優 ベン・キングズレーが演じます。存在感溢れる俳優さんですね。序盤、少女の父親を偽りモールスタッフと交渉する場面は冷酷な顔を裏に秘め、ドキドキさせますし、統率された武装集団をテキパキと指示する場面もさすがです。バンデラス演じる主役のエディにことごとく邪魔された後の場面では、怒りを通り越して泣きそうになるという姿に、管理職の悲哀を感じてしまいました。同情しますわ、本当に。
        
セキュリティより】帽子はさいごまでかぶればいいのに。。 作画:310


  • 続いてこの作品のもう一つの見どころは、我らがアントニオ・バンデラス兄さんのアクションです。最近はご無沙汰でしたが『デスペラード』『暗殺者』『インタビューウィズバンパイア』等での名演が光るスペインの伊達男です。バンデラスの代名詞と言えばトリッキーなガンアクション。どんな体勢から銃を撃つの?という体勢からアクロバティックに撃ちまくります。例えるなら、『リベリオン』で有名なガン=カタ(銃の型の動き)に、持ち前の野性味をプラスしたような。※ガン=カタとは、相手の銃口をそらすためのカンフーの様な素早い格闘術で銃をさばきながら、攻めの銃撃を放つ接近戦に有利な銃撃術。


  • 『デスペラード』でのかなりトリッキーな体勢からの銃撃が有名ですが、今回も見事な銃撃術を魅せてくれます。敵の弾には当たりません。繰り返します。無茶な体勢からでも、極めているから敵の弾には当たりません!
     
有名なデスペラード撃ち  作画:310





                     
こちらが今回。二丁拳銃が似合います。 作画:310




  • と、見どころポイント満載な本作なのですがスケール感に比例する予算が限られたのか(それでも推定予算1500万ドルだそうですが)ハリボテ感溢れるモールなど、全編にチープ感が漂うのがとても残念です設定は良かったのになぁ。


また、尺の問題か武装集団の正体に対する説明も足りなかったように感じます。とはいえ、92分という尺で楽しめるB級アクション映画でありました。さくっと楽しむのに丁度良いです



近年のアントニオ・バンデラスは故郷スペインの映画業界を支援していきたいと考えているとの事。いつか、そんな彼の潮流を受けたスペイン発のアクション映画が現れるのを楽しみにしたいものです



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