観たぞ!『人生スイッチ』


今日ご紹介は、ブラックコメディの一本です。

『人生スイッチ』
◇鑑賞日 2018年3月17日
◇一言感想
(怒り)の感情に焦点を当てた、オムニバスのコメディとして楽しめる。
◇星3つ☆☆☆ 普通に楽しめます

  • ちょっとした行動によって、後の人生に影響を及ぼす事象。皆さんも経験があるかもしれません。特に喜怒哀楽の中で(怒り)の感情に身を任せてしまうと、あとあと大変な事も起こります。あとあとねw 時に酷く、悲しく、滑稽でもある感情。今回の一本はそんな、生活の中の人間の怒りという感情をオムニバス形式で描いた一本です。暴力と復讐(物騒だな!)という共通したテーマを持つ6つの独立した短編で構成された本作。スペイン、アルゼンチン合作としてダミアン・ジフロンという監督が綺麗にまとめています。異なる監督のオムニバスも楽しいですが、一人の監督で世界観やトーンを合わせられるのは、やっぱり良いですね。日本だと、(世にも奇妙な〜特番)みたいな感覚です。私は、ちょっとほっこりしたいなあと思い、軽いヒューマンコメディのつもりで観たら、どえらい話だったという(笑)
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  • 話の先が読めない面白さをもつオムニバス形式の本作。以下が各話のアウトラインです①『おかえし』ある飛行機に偶然、乗り合わせた乗客たち。彼らの共通点は過去に一人の男を知っている事だった。「元彼女」「同級生だ」「元部下」と乗客全員が、男を思い出し、息をのみ顔を見合わせたその時ー②『おもてなし』ウェイトレスとして働く女。客が誰もいない雨の日、父親を自殺に追いやった仇の男が偶然店に現れる。調理担当の女に打ち明けると、彼女は「猫いらずを入れな」と物騒な提案をー③『エンスト』山に囲まれた一本道を新車で走り抜ける男。前方を走るポンコツ車に追い越しを邪魔された腹いせに抜き去る時に、捨て台詞を吐いてしまう。ところが、程なくして自分の車がパンク。タイヤを取り換えていると、例のポンコツ車が追いついてくるー④『ヒーローになるために』ビルを爆破する解体プロの男。仕事を終え娘の誕生会のケーキを買っていると、駐車禁止区域じゃないのに車をレッカー移動されてしまう。翌日、陸運局の窓口で訴えるが無視され、大暴れしてしまう。その姿がハデに報道され会社はクビにー⑤『愚息』豪華な暮らしをする裕福な男。ある朝、一人息子が酒を飲んだ帰りに人を轢いてしまったという。既に悪質なひき逃げ事件だと報道され、顧問弁護士に相談し、雇っている使用人に50万ドルで身代わりになってもらうことに。ところが、急ごしらえのアリバイ作りはやってきた検察官にすぐにバレ。ー⑥『HAPPY WEDDING』幸せな結婚式の最中に、花婿が招待した同僚が浮気相手だったと気付いてしまう花嫁。ショックのあまり泣きながら屋上に出るが、休憩していたシェフに慰められ_______________個人的には『エンスト』と『HAPPY WEDDING』が落ちも含めて、面白かったです。あとタイトルバックにはゲラゲラ笑いました。ヒューマンコメディと思ってたらビックリでんがな。
       
【人生スイッチより】 父ちゃんと母ちゃんもビックリだ!!

    

  • さて本作はアカデミー賞、カンヌ映画祭ノミネート、アリエル賞等多くの受賞をしています。中でもカンヌではスタンディングオベーションが10分間続いたそうです。文化の違いというか、日本だと引いてしまうくらいの暴力もブラックユーモアとして受け入れる土壌があるのでしょうね。

  • また野生動物の写真コラージュで始まるオープニングシークエンスも、『え?』と、驚くとともにセンス良くていい感じです。実は本作の原題はRelatos salvajes』は、直訳すると野生の物語(野蛮な話)です。観たあとには、なるほど!と思いますね。人間も怒髪天でタガがはずれると、野生動物と変わりません。戒めの意味も込めて、なるほどです。

と、6つの様々な話を楽しめる本作ですが怒りの感情だけでなく人間の喜怒哀楽を突き詰めて構成したオムニバスも観てみたい気がします。
 あと文化の違いか、登場人物達の怒りの観点に共感できずらい所があったのも残念かな

何はともあれ、短編として話運びもうまい本作。ブラックコメディとして楽しめると思います。俺も怒りスイッチをセーブしなきゃあなあ (笑




 

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