観たぞ!『アウトサイダー』

今日ご紹介は、日本が舞台のハードボイルドです。

『アウトサイダー』
◇鑑賞日 3月18日
◇一言感想
外国から見た戦後日本の任侠。
ザラザラした質感の中、日本人がカッコよく描かれた良作。

◇星4つ ☆☆☆☆いい映画に出会えたなぁ

  • 洋画において、日本の風土や文化は神秘に満ち、時に面白く表現されます。任侠道もまた然り。名作『ブラックレイン』を代表とし古くはロバートミッチャムの『ザ・ヤクザ』から『ザ・レイドGOKUDO』、とんでもない所では『キル・ビル』など。洋画の中で日本の(その筋の方々)は数多く登場します。しかしながら、その多くは考証も娯楽設定であり我々日本人から見ると失笑が多いのも事実です。
  • ※余談ですが、私が愛してやまない007シリーズの一作、(007は二度死ぬ)も日本を舞台にしていますが、そのトンデモ振りはものすごく。私の周りでは『ボンドがカツラを被ったり、悪者に波止場のハチマキおじさんが出てくる映画』だと話題です WW 是非、ご鑑賞を。
  • 早々に脱線しました。すいません。本作は、洋画でありながらも戦後の日本任侠に、きちんと向き合った正統派ハードボイルドの良作。Netflixオリジナル映画です。


  •  (あらすじ)俳優ジャレッド・レトを主演に迎えて、第2次世界大戦後の大阪を舞台に裏社会の男たちの生きざまを描いたNetflixオリジナル映画。日本で捕らわれたアメリカ兵ニックは、大阪の白松組に所属する清を刑務所で救ったことをきっかけに、清と固い絆で結ばれる。やがてニックは白松組の組長と杯を交わし日本の裏社会で生きることを決意するが、清の兄弟分であるオロチはニックの存在を疎ましく感じ、排除しようとする。
  • まず、なんといっても、この映画は俳優陣が個性的。ニックを演じる主演のジャレッド・レトは『スーサイド・スクワッド』のジョーカーさん。憂いを帯びた演技は素晴らしいものがあります。脇を固める日本人俳優には、兄弟分の清に浅野忠信、仇役のオロチに椎名桔平、対立する組長に大森南朋と豪華です。ヒロイン役はジャレッド・レトが自ら選んだという忽那汐里。綺麗な女優さんです。そうそう!安田大サーカスのHIROも組員として出演しているのですが、映りが非常に多く、凄く存在感があります。まるでブラックレインのガッツ石松さんくらい (笑

  • 舞台は戦後復興間もない1954年、大阪。物語は、日本で囚われた元米兵のニックが日本のヤクザ 清と出会い、裏の世界で生きていく過程を描きます。極道の映画としては静かな描写も多く、バイオレンスを求めるのであれば『アウトレイジ』や任侠の話であれば『極道の妻たち』の方が面白いという方もいるとは思います。しかし、本作は時代考証もうまく、(戦後日本に残されたアメリカ人から観た、異文化としての裏社会)が非常によく描かれています。当時の街並み、文化を、冷たくザラリとした質感として感じる事が出来ました。

画像出展:NETFLIX

  • その撮影は多くのドラマや映画を誘致してきた北九州フィルム・コミッションの協力で北九州市内で行われたとの事。ハリウッド映画の誘致は初めだったそうですが、このような地域主導の文化支援は素晴らしいですね。機材、撮影、編集の仕方でしょうか。日本人が撮るよりも日本人が格好良く見えます。
  • さて。そんな良作ですが、突っ込み所もやっぱりあります。冒頭、ニックが清を助けるシーンの『カンシュー!カンシュー!オオオオーオイ』のシーンでは飲んでたお茶を吹き出すほど笑ってしまいました。カンシューてwww いやいや。カンシューて。あと何故かケジメの指詰めのシーンで長尺を取ります。いっぱい指詰めます 笑
お茶を吹き出しそうになりました 作画:310

  • 残念だったのはニックの過去の背景が説明不足な事と(何故日本の裏社会でやって行こうと思ったのか)、と後、日本の組員たちがニックに優しすぎる事。もっと確執があると物語に深みが出たように思います。

でも、間違いなく力作の一本。Netflixは本当に凄いですね。さあ、皆さんご一緒に。
カンシューカンシューオオーイ ‼︎

コメント

人気の投稿